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4リズムヘッドアレンジ・コードプログレッションⅡ 特別授業 第2弾 ft. 土岐英史

サックス奏者土岐英史さんと、私、堀井とのお付き合いは、多くのドラマ音楽や幼児番組、私のアルバムの1枚目からのすべてなどなど。実に長いお付き合いだ。もちろん、土岐さんご自身もソロ活動や自らのバンド『チキンシャック』、山下達郎からジャニーズ関係まで、数え切れないほどのレコーディングに参加している。一発、一音、その「音」を聞けばすぐにわかる個性は秀逸の存在だ。現在、大阪音楽大学でも、特任教授として教鞭をとっておられる。


今回の授業では、映画・放送音楽コース3年の青山涼さんと、同2年樽井望さんの曲をレコーディングした。当初、2016年7月のレコーディングに向けて準備が進められていたが、実際にレコーディングが実現したのは9月20日となった。あしかけ2ヶ月以上かけて、曲作りのレッスンが行われて完成した曲ということになる。

13時に紹介を兼ねて、土岐さんからお話を伺う。小一時間のトークタイム、学生の緊張も少しほぐれたところで、まずは作曲者の青山さんが土岐さんに譜面を見ながら曲の説明をした。

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レコーディング直前のワンショット

コンセプトはスティービー・ワンダー

青山涼さんの曲『Rumble!』は、曲を書くにあたって、スティービー・ワンダーの『Sir Duke』か『Isn’t She Lovely』のインスト版というコンセプトから始まった。

青山涼さんは、一年次からいわゆる「書きすぎてしまう」傾向にあったが、すでにシンプルでアツいメロディの方向へ曲は作られていた。夏休みの特別レッスンで、コーラスのサンプリングフレーズを入れると、そのソウルフルなニュアンスがこの曲のイメージや自身のイメージと合ったのか、結局、同級生たちのコーラスも追加することになった。コーラスの参加者は、本学声楽家3年生浅野千尋さん、映画放送3年生コース柴田ゆり子さん、エレクトリック・ギターはインストコースの2年生服部州一郎さんによるものです。

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青山さん作曲の『Rumble!』コーラスレコーディングの様子

■Rumble!

譜面(PDF)はこちらpdf


ウェザー・リポートの『Birdland』からインスパイア

青山さんの2曲目『カルクチ』は、Weather Report(ウェザー・リポート)の名曲『Birdland(バードランド)』、テナー・サックス奏者の大御所中の大御所、SONNY ROLLINSの『St.Thomas』をイメージした。もちろん微塵もフレーズを真似することなく、「明るい」「安っぽくない」「ちょっとラテン?」といったコンセプトで、1ヶ月以上の制作期間をかけ出来上がった。

この曲も『Rumble!』同様、友人たちのコーラスパートが加わったことで、ブラジルの雰囲気が少し出たように思う。土岐さんは、やはり「テイク1」を大切にしており、学生たちにもその旨を説明してあったので、2~3テイク演奏していただくが、納得の「テイク1」がOKテイクとなった。

青山さんにしてみると、相当シンプルなサックス・メロディにしたつもりであったが、それでも「書きすぎ」「もっとミュージシャンに委ねるところが欲しい」と、土岐さんに助言された。録音されたテイクでは、実際に譜面よりハショっているところがある。が、決してその動きに不自然さはまったく感じない。この曲のコーラスの参加者は、本学声楽家3年生浅野千尋さん、映画放送コース3年生柴田ゆり子さん、青山涼さん、同2年生樽井望さんとなった。

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青山さんと土岐さん、レコーディングを終えて

■カルクチ

譜面(PDF)はこちらpdf


クールかつ熱いメロディ

続いてこの日3曲目は、樽井望さんの曲『Meadow』。事前の指示はほとんどなく、土岐さんの話を少ししただけで作った曲。

もともと、ピアノを弾くことが大好きで、そのアドレスにもピアノと入れるほどの樽井さん、でき上がった曲のピアノの動きにこだわりが見える。普段の言動・態度はきわめてクールなのだが、熱いものを潜めていることは知っていた。今回の曲も人柄も、土岐さんは気になっていたようだ。

終了後のお好み焼き屋さんで土岐さんがこっそりと私に極上の笑顔で話していた。「20歳の書く曲ではないかな?」

ギターは、ポピュラー・インストゥルメンツコース2年生、服部 州一郎さんが演奏している。

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コントロールルームでディレクションをする樽井さん

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土岐さんに楽曲の説明をしている樽井さん

■Meadow

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レコーディング実習を終えて

相変わらずの土岐英史さんでした。レッスンでは「メロディの大切さ」をずっと言い続けていた。

打ち込みで作ってきたデモ音源を聴きながらレッスンするのだが、せっかく良いメロディを作ってきても、どうしても歌心が足りない。今回の土岐さんのレコーディングは、打ち込みではありえない「感動の養分」みたいなものを皆さんに体験してもらうことが狙いでした。学生たちは事前に作った自らのメロディと土岐さんの歌心の違いを痛感したことだろう。


……にしても、こんな、ほんの少しだけ怖そうな黒い服の二人に囲まれ、皆さん積極的に楽しくレコーディングできたことは、一重に土岐さんの人柄・音楽性によるところが大きかった。(文/堀井勝美)

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土岐さんと堀井先生

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土岐さんのサックス達

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